リハビリ部門 上司が現場セラピストから嫌われている
中間管理職としてどうすればよいの?(youtube動画)

2018年9月2日QOLサービス様のセミナーで頂いた質問の一つです

上司と現場の板挟みありますよね

それに対する私の見解です

リハビリテーション部門のマネジメントでは中間管理職の役割は相当重要です

 

クレームや文句は得意だが、チームのために行動できないリーダーの皮をかぶっているセラピストがいる

リハビリテーションの現場には、知識も技術もあり若手から慕われているリーダー格のセラピストがいることが多い。

そのため、そのリーダーは若手に良くも悪くも影響を与え、組織にとって油断ならない存在となることがある。

このようなリーダーは、若手や周囲のセラピストに対して、リーダーシップを発揮し組織や業務の在り方に対して異議を唱えることもあり、まさに現場の代表者として活動する。

本人は「自分が素晴らしいことをしている」という自覚症状があり、「組織や個人に対して異議を唱えること」への活動を増長させることが多い。

しかし、ここには重要な視点が抜けている。

リーダーとして優れていても部下として優れていなければ、組織からの評価は得られないという事である。

部下として優れているという事はどういうことか?

それは、組織の一員としてチームプレイに徹し、組織の方向性を建設的な意見を述べることで調整していくことである。

リーダーシップが優れている人の組織に対する異議申し立ては、組織の弱点や上司の欠点を指摘することが多い。

しかし、組織の弱点や上司の欠点を指摘するだけでは、それはただの「クレーム」「文句」である。

優れた部下は組織の弱点や上司の欠点を補うために自分にはどのようなことができるか?を考え、建設的な意見を述べることができる。

リーダーとして優れていても部下として優れていなければ、組織からの高い評価は得られない。

あなたの職場にはいないだろうか?

クレームや文句は得意だが、チームのために行動できないリーダーの皮をかぶっているセラピストが。

執筆者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)(脳卒中)
呼吸療法認定士
修士(学術)
関西医療大学保健医療学部 助教
関西学院大学大学院 経営戦略研究科

リハビリテーション部門運営の最大の鍵は採用活動の質である

リハビリテーション部門の最大の経営資源はセラピストであることは間違いない。

そのため、多くのリハビリテーション部門は人材育成に取り組んでいる。

しかし、人材育成が成功している事例を聞くことは少ない。

多くのリハビリテーション部門では、人材育成に関して次のような課題を有している。

3年目から5年目ぐらいで退職する
職場内の風紀を乱すセラピストがいる
セラピストの多くが管理職を希望しない
臨床能力が低いだけでなく、事故を良く起こす
人事異動に納得しないセラピストがいる
部下を扇動し、組織を乱すセラピストがいる
など・・・多くの人材に関する問題が散見する。

このような問題の収束や解決のために疲弊している管理職は多い。

しかしながら、このような問題の収束や解決は組織力のマイナスをゼロに戻すだけの作業であり、本来の管理職の仕事である組織力のプラスをよりプラスに変えるものではない。

したがって、人材に関する問題が極力生じないための組織マネジメントが必要となる。

そのために必要なのは、採用の入り口で徹底した人材の人選が重要である。

組織の理念、ビジョン、業務内容、役割、キャリア教育等に完全に納得、同意した人間を複数回の面接や試験などで厳選することが重要である。

人材を厳選する活動は大きなエネルギーが必要であるが、問題人材への対応に必要なエネルギーとは遥かに健全なエネルギーである。

問題社員に振り回される組織は採用活動の質が悪すぎるだけである。

あなたは、良い人材を採用するためのエネルギーと問題社員対応のエネルギーならどちらを選びますか?

執筆者
高木綾一
セミナー講師
株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)(脳卒中)
呼吸療法認定士
修士(学術)
関西医療大学保健医療学部 助教
関西学院大学大学院 経営戦略研究科

退職者分をただ補うだけの人事採用をしていませんか?

医療機関や介護事業所の人事部門は本来の機能を果たしていない。

医療や介護のサービスの質は、人材の質で決まると言っても過言ではない。

医療や介護ほど、人材に依存した事業はない。

それほど、人材が大切にあるにも関わらず、多くの人事部門は「ただ、退職者分を補うだけの採用」を行っている。

人事部門は経営に大きな影響を与える最重要部門である。

経営戦略を実現するのは人材
組織イノベーションを起こすのは人材
地域ブランドを創るのも人材
である。

つまり、人事部門は企業の未来をハンドリングしている部門である。

退職者分だけを補う人事採用しかしていない人事部門は、名ばかり人事部門と言える。

近年の診療報酬・介護報酬はアウトカム志向が強くなっており、医療や介護を取り巻く環境は厳しさを増している。

そのような環境変化に対応するためには、人事部門がより戦略的な人材採用を行わなければならない。

そのためには、人事部門が診療報酬や介護報酬の状況、自社の経営課題、組織イノベーションの方向性などを知る必要がある。

そして、リハビリテーション部門や看護部門は人事部門としっかりと戦略のすり合わせをしなければならない。

間違っても、人事部門が自部門の方向性と違う人材を採用することはあってはならない。

皆さんの人事部門は戦略的な採用活動が出来ていますか?

今一度、見直してほしい。

執筆者
高木綾一
セミナー講師
株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)(脳卒中)
呼吸療法認定士
修士(学術)
関西医療大学保健医療学部 助教
関西学院大学大学院 経営戦略研究科

 

 

医療機関や介護事業所は戦略的な企業倫理を実践せよ

企業の存在目的は利潤の最大化を通じて社会に貢献することである。

利潤の最大化には短期的な手法と長期的な手法があり、真の社会に必要とされる企業になるためには、長期的な手法を用いることが重要である。

短期的に会社の利潤を最大化しようとすると、経費を削減するいわゆるリストラクチャリングを中心とした手法が有効である。

リストラクチャリングには利益の確保や株主などへの説明責任などのメリットもある一方で、雇用や取引先への悪影響が大きいというデメリットを伴う。

リストラクチャリングでは雇用や取引先との関係を破壊することから、結果的に社会や地域にとって必要とされない企業となる可能性が高まる。

社会や地域から愛され必要とされる企業となるためには長期的な手法を用いて企業経営を行って行くことが重要である。

長期的な手法で大切なことは社会や地域から信頼を得ることができる「企業倫理」の実践を通じた経営が必要である。

つまり、「企業倫理」とは企業が成長していくための戦略と言える。

企業倫理を企業成長の武器として使うことが長期的な利潤の最大化に繋がる。

医療機関や介護事業所が短期的利益のために、サービスの品質を無視し、事業を運営すれば地域の利用者や介護支援専門員から反感を買う。

悪い評判はその医療機関や介護事業所を利用するインセンティブを消失させる。

一度生まれた悪い評判を打ち消すのはほぼ不可能に近い。

「企業倫理」を戦略的に実践することで、利用者や介護支援専門員との良好な関係を維持することができ、その結果、事業運営も発展する可能性が高い。

 

執筆者
高木綾一
セミナー講師
株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)(脳卒中)
呼吸療法認定士
修士(学術)
関西医療大学保健医療学部 助教
関西学院大学大学院 経営戦略研究科