PT・OT・STのキャリアデザイン 究極の質問をしてみよう

不透明な世の中において自身のキャリアデザインに悩んでいるPT・OT・STは多い。

特に、2010年以降のPT・OT・ST量産型社会においては、その資格の価値の低下も激しく、金銭的な報酬や社会的立場は厳しくなる状況が続いている。

そのため、5年後、10年後の未来を描くことは容易ではない。

このような状況ではPT・OT・STはどのような心構えでキャリアデザインに臨めばよいのだろうか?

キャリアデザインに最も必要な要素は「主体性」である。

つまり、主体的になりたい自分を設定することがキャリアデザインの根幹である。

実はこの「主体的になりたい自分を設定すること」が最も難しい。

皆さん自身も経験はないだろうか?

自分のやりたいことがわからない
セラピストとして目標がない
毎日、同じことの繰り返しでやりがいを感じない

このようなことを感じている時は主体性を失っている時である。

それでは、「主体的になりたい自分を設定すること」はどのようにすれば可能であるか?

その一つの方法として「どのようになれば自分は幸せであるか?」と問いかけることである。

できる、できないは別としてどんな状況になれば自分は幸せになれるのかについて正直に考えることが重要である。

人は忙しい日々を過ごすと「幸せ」について真剣に考えることは少ない。

あなたにとって幸せとはどんなものだろうか?

一度、幸せについて考えてみてください。

キャリアデザインの大きなヒントが見えるかもしれません。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
関西医療大学保健医療学部 客員准教授

リハビリテーション事業の経営資源はセラピストの技術と知識です

リハビリテーションサービスが社会に浸透してから久しい。

また、医療機関や介護事業所におけるリハビリテーションサービスは会社の売り上げを支える重要な役割を担っている。

そのため、経営者の中には売上至上主義が強く、とにかく、リハビリテーションサービスを量的に増加させることをセラピストに要求する人もいる。

リハビリテーションサービスの増量=売り上げの増加

という発想に縛られていると言っていい。

しかし、これは中長期的な視点で考えたときに効果的な手法と言えるのだろうか?

リハビリテーションサービスの増量には副作用を伴う。

それは、リハビリテーションサービスのみを思考停止でひたすらに提供するだけのセラピスト集団が形成される可能性が高いことである。

業務量が過多になれば、当然、リハビリテーション技術を向上させるための時間や体力はなく、日々、「ひたすらに働くだけの習慣」が形成されるのは当たり前である。

よって、質の悪いリハビリテーションサービスが形成され、セラピストは疲弊し、離職が止まらなくなり、さらには患者のクレームや医療過誤などが生じ、地域や患者からの信頼を失う。

リハビリテーションサービスの増量=売り上げの増加

という発想になっている経営者や管理者は決定的に欠如している視点がある。

それは、「リハビリテーション事業の経営資源はセラピストの技術と知識」という視点である。

経営資源であるセラピストの技術と知識の質が高いものになれば、患者や家族などのステークホルダーが最良のサービスを受けることになり、効果的なマーケティングが展開されることになる。

その結果、リハビリテーションサービスに対する需要が高まることになり、売り上げの向上が見込まれることになる。

あなたのリハビリテーション部門は
リハビリの量を重視していますか?
それとも
リハビリの質を重視していますか?

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
関西医療大学保健医療学部 客員准教授

PT・OT・STのキャリア 挑戦の先にある挫折 挫折の先にある成長

キャリアを順当に発展させている理学療法士・作業療法士・言語聴覚士と話をしていると、意外なことを聞くことが多い。

それは、一様に「挫折」を経験していることである。

「挫折」とは、物事がうまくいかなくなり、途方に暮れて精神的に追い詰められる経験である。

「挫折」は意味だけを捉えると、ネガティブな言葉に聞こえるが、「挫折」が人のキャリアにもたらす効用があることがわかってきている。

それは「挫折」が人の成長を著しく促すというものである。

これは心的外傷後成長と言われており、人は悲惨な経験や逆境に陥ることで
他者との関係
新しい自分の可能性
人間としての強さ
生きていることへの感謝
を感じるようになり、急激に仕事や人生への向き合い方が変わり人間的成長を成し遂げると言われている。

キャリアの発展に成功している理学療法士・作業療法士・言語聴覚士は一見順風満帆な人生を送っている思われがちであるが、実際は「挫折」を幾度も経験しており、その度に這い上がり、急激に成長に遂げていることが多い。

逆を言えば「挫折」を経験していない人は成長することすら難しいともいえる。

では、なぜ「挫折」を経験している人としてない人がいるのだろうか?

それは「挑戦」をしていないからである。

「挑戦」は成功も生むが挫折も生む。

そして、先述したとおり「挫折」は人の成長すら促す。

つまり、「挑戦」をしていない理学療法士・作業療法士・言語聴覚士には成長が難しいと言える。

若い理学療法士・作業療法士・言語聴覚士はどんどん「挑戦」してほしい。

「挑戦」には「挫折」も伴うだろう。

しかし、「挫折」を経験しないとわからないこともある。

「挫折」に向き合うこともキャリアデザインである。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
関西医療大学保健医療学部 客員准教授

 

若い頃は年上から見込まれる生き方、中年以降は年下から尊敬される生き方をしよう

株式会社Work Shift 代表取締役の高木です。

最近は、YoutubeやSNSの情報発信に力を入れており、ブログの更新頻度が少なくなっており、反省をしております。

今後、再起動してまいりますのでよろしくお願いいたします。

今日は、セラピストのキャリアデザインについてお話をしたいと思います。

キャリアデザインを発展させていく要因の一つに「発達的人間関係」というものがあります。

簡単に説明すると、「キャリアデザインの発展を促進する良質な人間関係」と言えます。

逆を言えば、「キャリアデザインの発展を阻害する悪質な人間関係」も存在すると言えます。

みなさんは「この人に出会って人生が変わった」「あの人と出会わなければ今の私はない」という出会いはなかったでしょうか?

私も中学から現在まで多くの人と出会ってきました。

今までにも人生を変えるほどの大きな出会いがあり、また、現在は、素晴らしい仲間と人間関係を継続できています。

リハビリ職種のキャリアデザインでは技術や知識を向上させる、学位や資格を習得する、論文や学会発表を行うと考えがちですが、これらだけではキャリアデザインが発展することは難しいです。

なぜならば、人のキャリアは人間関係の中では育まれるからです。

その中でも
「若い頃は年上から見込まれる生き方」
「中年以降は年下から尊敬される生き方をしよう」
はキャリアデザインにおいて重要な視点です。

キャリアデザインの発展に欠かせないのは「周囲からチャンスを与えられること」です。

自分の信念や価値観を仕事を通じて実現するためには、何らかの仕事や出来事が目の前にくる必要があります。

その仕事のすべてを自分自身で用意できればいいのですが、そのようなことはほぼ不可能です。

若い頃は仕事は年上の人から提供されることが多く、また、中年以降の場合は年上の方は引退をしているため、中年以降の場合は年下から仕事を提供される必要があります。

そのためには、
「若い頃は年上から見込まれる生き方」
「中年以降は年下から尊敬される生き方をしよう」
が重要となります。

つまり、年齢に応じて人間関係のマネジメントが必要であり、そのマネジメントを怠ると「発達的人間関係」を構築できない状況の陥り、キャリアデザインの発展が見込めない状況になります。

若いころに年上から評価されない、嫌われる
中年以降に年下から尊敬されない、慕われない
という生き方はキャリアデザインには好ましくないと言えるでしょう。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
関西医療大学保健医療学部 客員准教授

 

ノーコンセプトでどんな利用者でも取る通所介護・通所リハ・訪問看護・訪問リハ・老健の未来は暗い

2021年度介護報酬改定は介護保険事業所の役割をより一層明確にするものであった。

役割の明確化は2024年度診療報酬・介護報酬同時改定でも加速する。

特に、通所介護・通所リハ・訪問看護・訪問リハ・老健は新規の運営基準や加算の要件をみれば、どのような利用者に対してサービスをするべきか?について明らかに政策誘導されている。

しかし、現実的には「利用者を絞る=ターゲッティング」することで利用者を集客しようとする介護保険事業所は少ない。

どんな利用者でも集めてこい!
どんな状態の人でも対応するのが医療や介護の専門家の勤めだ!
うちには看護師とセラピストがいるから大丈夫だ!
という感覚で利用者を集めている事業所は意外に多い。

ターゲッティングとは
勝負する市場=顧客を選択することである。
顧客にはさまざまな層があり顧客のすべてを事業の対象にするのは不可能である。

なぜ、顧客のすべてを事業の対象にすることができないのだろうか?

答えは簡単である。

すべての顧客が要求するサービス水準を提供するためには莫大な時間と費用が掛かるからである。

このようなことを言うと「実際に様々な利用者を受け入れている事業所があるじゃないか!」という声が聞こえてくる。

確かに、その通りである。

しかし、それは「すべての顧客が要求するサービス水準」を無視する形で行われているのである。

よって、そのような事業所は
看護・介護・リハの質が低い
加算取得率が低い
イノベーティブな取り組みができない
毎日が流れ作業のようにサービスを提供している
という状況になることが多い。

このような状況にならないためには自社のサービスや人材の特徴を理解し、自社のサービスを高く評価してくれる顧客層を選択することが重要である。

もし、自社のサービスや人材が経営者や管理者が目指すスペックと異なるのであれば早急にサービス、採用、教育の見直しを行い、ターゲッティングが行える状況にするべきである。

ターゲッティングを疎かにすればするほど、介護報酬改定の負荷は大きくなってくる。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
関西医療大学保健医療学部 客員准教授