理論武装だけいっちょう前のリハビリテーション評論家は臨床現場で役に立たない

リハビリテーション医学の進歩は著しい。

20年前では考えられないほどの様々なリハビリテーションに関する学会、論文、書籍があり、書店のリハビリテーションのコーナーにはリハビリテーション関連書籍が山済みである。

また、大学院に進学するセラピストも多く、修士号、博士号を持つセラピストが珍しくない時代になった。

このようにセラピストが学べる環境が充実しているため、理論武装をしたセラピストも多くなっている。

その一方、高齢者が急増し、様々な問題を抱える利用者が臨床現場では増えている。

そのため、以前に増して臨床家の高い技術が求められる状況である。

ここで問題となるのが、理論武装系セラピストである。

こと患者の評価や治療の話になると、理論的な解説をまくしたてる。
(無断転載禁止)

でも、実際にハンズオンで評価や治療をしたら、ひどすぎるレベル・・・。

また、理論武装セラピストは組織で出世していることが多く、これがまたたちが悪い・・・。

評論はまくしたてる
実技はグダグダ

これで臨床家がリスペクトするわけがない・・・。

理論武装が悪いのではない。

リハビリテーションには理論武装は必要だ。

でも、ハンズオンで何もできないとなると、それは、臨床家ではなく、リハビリテーション評論家だ。

皆さんの周りにもリハビリテーション評論家はいないだろうか?

リハビリテーション評論家は臨床家の反面教師である。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)(脳卒中)
呼吸療法認定士
修士(学術)
関西医療大学保健医療学部 助教
関西学院大学大学院 経営戦略研究科

イラスト提供
福山真樹
理学療法士×イラストレーター

医療・介護等の現場を、医療職種の胸の内まで分かりやすくイラストで伝える。
臨床で勤務する理学療法士だからこそ描ける作品を医療関係者等へ提供し、書籍・学会・福祉機器紹介PV等、様々な場面で用いられている。
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学術研究活動→臨床に役立つ→経営に好影響でなければ、待遇は改善しない件

セラピストの大学院進学がブームである。

また、現在は、様々な学会があり多くのセラピストが学会発表を行っている。

昔と比べて学術に取り組むセラピストの絶対数は非常に増えている。

その中で、学術をがんばっても待遇が変わらないと嘆くセラピストも多い。

特に大学病院以外の民間病院や民間事業所ではよく見られることである。

経営者の筆者に対する相談の一つに「学術活動に頑張っているセラピストの評価方法はどうしたらいいのか?」というものがある。

ようするに、「学術を頑張っているのだから組織からもっと評価されてもよいのではないか!」と訴えるセラピストがいるという事である(図)。

それでは、学術を頑張っているセラピストを組織が評価することの正当性や合理性はどこにあるのだろうか?


(無断転載禁止)

 

企業経営から考えると、企業業績や企業活動の質の向上に資するものかどうか?という判断軸が重要となる。

簡単に言えば、その学術活動は、組織にどのようなインパクトを与えたのか?が重要であるという事である。

学術活動が組織が抱える課題の解決に寄与することができればその学術活動は非常に有意義なものであり、評価の対象となる。

在院日数が短縮した
FIM利得が向上した
後方連携の質が向上した
早期離床のシステムが完成した
誤嚥性肺炎や転倒が減った
など・・・
実利に資する研究であればあるほど評価は高い。

しかし、組織の課題を決して解決することはないような学術活動・・・セラピストの極めて個人的な興味による研究、社内で議論されることない症例発表などは評価に値しないだろう。

研究だけが評価されたいのであれば、研究機関や大学病院などに就職することが望ましい。

しかし、民間病院や民間施設では実利が求められる学術活動が必要である。

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高木綾一

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専門性の押し売りはPT・OT・STの価値を暴落させる

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士はそれぞれ専門性がある。

そして、近年、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士のそれぞれの分野は学問的発展が著しく、各種療法は科学的で、より専門的なものへと変化している。

さらに、大学院への進学ブームもあり、高度教育を受けるセラピストも増え、学術に長けた者が臨床現場には多くなってきた。

学術に長けた者が増えれば増えるほど、リハビリテーションの現場のレベルが上がったか?という問いには疑問がある。

筆者が医療機関や介護事業所をコンサルティングしている中で、問題となるセラピストの特徴の一つとして、「利用者・家族のニーズに対応することなく、自身の専門性の押し売りする者」が挙げられる(図)。


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リハビリテーションは心身機能・活動・参加の集合体であり、全人間的復権であるから当然、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の狭い専門性でけでは対応できない。

図で示すようなセラピストは、家族が何を求めているかという文脈を理解できずに自分の専門性を押し売りしている。

このようなセラピストのたちが悪いのが、「自分自身は素晴らしい医療を提供している」と勘違いをしていることである。

また、教育現場にも未だに、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士は「治療技術さえ長けていれば生き残れる」と声高に言っている学術系セラピストも多い。

皆さんの職場では専門性の押し売りセラピストはいないだろうか?

「賢い=リハビリテーションができる」ではないことを前提条件として組織管理・人材育成を行うことが重要である。

投稿者
高木綾一

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セミナー講師あるある!焼き増しセミナーだらけの講師が急増中

全国津々浦々にて、リハビリテーション専門職の研修やセミナーが開催されている。

今や、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の卒後教育インフラはかなり充実していると言える。

そのため、リハビリテーション専門職種のセミナー講師も沢山存在する。

しかし、受講生がフラストレーションを感じる講師も多く存在するのも事実である。

フラストレーションを感じさせる講師の事例として「セミナーテーマは違うのに話している内容は過去のセミナーと同様である」という事である。


無断転載禁止

まさに、セミナー内容の焼き増し状態と言える。

筆者も様々な研修やセミナーに参加するが、「この話は前に聞いたのと同じだよね」「セミナーテーマの趣旨から外れているよね」と感じさせる講師は非常に多い。

私は、そのような講師に出会うと二度とその講師のセミナーに参加する気持ちにはなれない。

社内研修でも同様である。

テーマに沿った内容を構成するという当たり前のことができていない社内研修講師も多い。

毎年、同じ内容の焼き増しでは、受講している側のフラストレーションは溜まる一方である。

受講生はセミナーテーマを判断し受講の動機を決めている。

したがって、セミナーテーマと内容の整合性は極めて重要である。

かくいう筆者もセミナー講師を生業にしている一人である。

自戒の念を込めて、常に新規性のあるテーマと内容に取り組みたい。

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高木綾一

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PT・OT・STの課題!多職種連携=多職種理解である件

回復期リハビリテーション病棟の定期カンファレンス
退院前カンファレンス
サービス担当者会議
リハビリテーション会議
などリハビリテーション職種が参加する会議は近年増え続けている。

そのため、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が多職種とコミュケーションを交わす場面がどんどん増えている。

しかし、同時に多くの問題も発生している。

その問題の一つが、「多職種が何を言っているはわからない症候群」である(図)。

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(無断転載禁止)

当然、職種が違うわけだから、使用する専門用語が異なる。

会議では、わからない言葉一つでも出てくると一気に混乱をきたすセラピストが多い。

そのため、セラピストが利用者にとって非常に重要なことを理解できないため、利用者に不利益を与える可能性がある。

セラピストにとって弱点領域である
予後予測
内科疾患
栄養状態
褥瘡
薬剤
などについて知識の浅いセラピストは会議で「どんどん辛い状況」になる可能性が高い。

多職種連携をちゃんとしたいなら、ちゃんと勉強するほかない。

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高木綾一

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