介護事業所 戦国時代!マーケテイングミックスを極めよ!

介護事業所はその数が増えており、従来より顧客の獲得が難しくなっている。

特に訪問看護ステーション・通所介護は既に国の整備目標を超えており、顧客獲得の競争が激しくなっている。

顧客を獲得するためには、マーケティングが有用であるが意図的にマーケティングを実践している介護事業所は少ない。

マーケティングの基本として「マーケテイングの4p」が挙げられる。
製品(Product)
価格(Price)
場所(Place)
販促(Promotion)
を4pと呼ぶ。

それぞれのpが重要ではなく、4pをいかに関連をさせながら事業を展開するか?が重要である。

製品のコンセプトを的確に顧客に伝えるためには、価格・場所・販促を製品コンセプトに合ったものにする必要がある。

例えば、高級な鞄を、安い値段で、大手雑貨屋で売りさばき、顧客に対して販売促進をすることは、逆に高級な鞄の価値を下げることになる。

従って、4pを整合性のある組み合わせで構成することが重要である。

例えば、訪問看護ステーションの中重度者向けサービスと言う製品のマーケティングを進めるためには次のようなマーケティングミックスが重要となる。

製品(Product)    中重度者ケアの提供
価格(Price)   介護報酬で設定された価格
流通(Place)   高齢者の多い地域・在宅
販促(Promotion)  中重度者の退院調整を行っている急性期病院へ販売促進

中重度者のケアというサービスを若い人が多く住む地域を対象に行う事や、軽症ばかり扱っている病院に営業を行っても効果的な集客は困難である。

介護支援専門員や病院へやたらめったに営業に行く介護事業所があるが、そのようなやり方では、効果的な利用者の獲得は難しい。

今一度、自社の4pを見直し、効果的なマーケティングを考えてみてはいかがだろうか?

 

勝ち残りたい介護事業所は市場分析から始めよう!

介護報酬改定は益々残酷なものとなり、市場原理が作用しやすい介護業界に加速している。

簡単に言うと経営努力が乏しい、介護事業所は淘汰され、事業からの撤退を余儀なくされる時代である。

そのため、介護事業所はマーケティング活動を通じて、市場の優位性を確保する必要がある。

マーケティングの第一歩は「市場調査」となる。

自社がどの市場を狙っているかを考えることからマーケティングは始まる。

市場調査は次の3つに分類される。

①市場の性格
利用者の特徴
市場の成長性
市場の寿命

要支援の高齢者は比較的活動性が高く、自身の趣味や仕事への希望もある。
人口動態から考えると段階のジュニアが要支援者である2045年ぐらいまで要支援者に対する事業は成長すると考えられる。

②競争相手の状況
どんなライバルがいるか?
異業種からの参入はあるのか?
ライバルのサービスはどのようなものか?
ライバル社の市場戦略はどんなものか?

要支援の健康増進・介護予防ビジネスには大手A会社が参入している。A社はIT会社を子会社として持っており、インターネットを通じた介護予防支援も得意としている。スマートホンユーザーが多い50代から60代を取り込もうとする戦略を進めている。

③自社の状況
自社の規模・実績
市場における強みと弱み
自社サービスの特徴はどのようなものか?

自社は地域で軽度者向けの通所介護を4件展開しているが、すべての事業所の稼働率は70%であり、十分に顧客を獲得できていない。利用者のリピート率は高いが新規利用者の獲得が弱く、利用者との接点が不十分と考えられる。専門職による直接的な指導をサービスを強みとしているが、専門職の人材育成が追い付いていない。

まず、これら3つの項目について整理し、自社の事業が進むべき方向性を決定するための材料を揃えることがマーケティングの第一歩である。

介護事業所をつくれば、儲かる時代は完全に終了している。

経営努力=マーケティングである。

 

人生における有限の資源があなたのキャリアを大きく支配する

筆者はキャリアカウンセリングを生業の一つとしている。

最近、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師の方からのキャリアカウンセリングの依頼が多い。

それだけ、仕事や人生に迷っている人が多いということだろう。

悩みの種類はいろいろであるが、仕事や人生に深く悩んでいる人には共通点が認められる。

それは、有限の資源が少ないことである。

人がどれほどの有限の資源をもっているかどうか?で人生は大きく決定をされると言っても過言ではない。

有限の資源とは
物的資源・・お金・機械
人的能力資源・・身体機能・知的能力・経験・知識・性格
人的関係資源・・人脈・名声・社会的信用
情報資源・・書籍・新聞・インターネット
などである。

これらの資源を多く持てば持つほど、人生における選択肢が増え、選択肢が狭い中で人生に苦境する可能性は少なくなる。

よって、常に自身の資源を総点検することが重要である。

資源が少なければ、その資源が増えるように努力をすることが重要である。

人間は他の動物と違って、自分自身の有限の資源を増やす能力がある。

つまり、努力次第で有限の資源を確保することができるのだ。

有限の資源を作る努力をせずに、仕事がほしい、好きなことがしたいと言っている人は、永遠にその希望はかなわない。

あなたは自分自身の有限の資源がどれほどあるか?を認識しているだろうか。

有限の資源の総点検をすることをお薦めしたい。

販売活動とマーケティングの違いがわからない介護保険事業所は潰れる

2018年度介護報酬改定が明らかになったが、あらゆる事業において軒並み基本報酬は低下している。

基本報酬分を補うためには加算の算定が推奨されているが、加算の算定より遥かに大きな課題が介護事業所には存在する。

それは、競合が増えているため、利用顧客が増えないということである。

利用顧客が増えなければ、事業所の収益は全く増えず、倒産と言う深刻な事態を迎える。

利用顧客を増やすためには、マーケティングが必要であるが多くの介護事業所はマーケティングを単なる販売活動と勘違いしている。

「より沢山売る」ことを考えてしまう経営者が圧倒的に多いため、マーケティングとは「販売活動」であるとという考えが広がっている。

しかし、販売はすでに出来上がったものを売り込む活動であるため、その商品を買ってくれる人は限定的な人である。

より多くの利用顧客に満足してもらい、それによって会社の収益を向上させるためには「売る」という発想ではなく、「売れる」仕組みを作る視点が重要だ。

そのためには、
市場調査
製品やサービス開発
価格設定
流通方法
販売促進
などを一貫して考えることが重要である。

例えば、良いサービスはしているがホームページがみすぼらしいため、事業所の良さが伝わらない、逆にホームページは立派だがスタッフの能力が低く、ホームページの内容が虚偽であるなどはマーケティングができないないと言える。

これまでの介護事業所がやっていることは、介護支援専門員や医療機関への営業行為やチラシの配布が多いが、これらはただの販売促進であり、もはやギャンブルに近い行為である。

あなたの介護事業所はマーケティング活動を一貫して行い、狙った利用顧客を獲得できているか?

それが出来ていなければ、基本報酬が下がる今後の介護分野での生き残りは極めて厳しいと考えるべきである。

 

自分の名前で仕事をできますか?

リハビリテーション専門職の就業の流動性がどんどん高まっている。

回復期リハビリテーション病棟の単位数削減

地域包括ケア病棟のリハビリテーションの包括化

在宅リハビリテーションの推進

都心部ではリハビリテーション職の過剰供給

これらの問題により、以前と比較すると転職の機会がセラピストに増えており、生涯の転職が3回以上が当たり前になる時代になっている。

転職すると言うことは、自分が背負っていた勤め先の看板を入れ替えることである。

多くの人は、勤め先の看板でご飯を食べている。

セラピストが自身のマーケティングを通じて患者や利用者を増やすことはない。

医師や介護支援専門員からの依頼で仕事をいただいているだけである。

したがって、勤め先の看板がなければ仕事を成立しにくいと言っても過言ではない。

勤め先を変わると言うことは、勤め先の看板に甘えることにもなる。

しかし、それでは勤め先が支払える給与以上の対価を得ることは不可能に近い。

勤め先の看板を入れ替える機会が多いこれからの時代では、自分自身の名前でご飯が食べられるか?という視点が必要である。

みなさんも有名な理学療法士・作業療法士・言語聴覚士を思い出してほしい。

その人の所属先でそのセラピストの能力を判断していることはないだろう。

その人の名前でその人の価値を想像しているだろう。

自分の名前で、相手に何を想像させることができるか?

あなたの名前は何を語ることができますか?