クレームや文句は得意だが、チームのために行動できないリーダーの皮をかぶっているセラピストがいる

リハビリテーションの現場には、知識も技術もあり若手から慕われているリーダー格のセラピストがいることが多い。

そのため、そのリーダーは若手に良くも悪くも影響を与え、組織にとって油断ならない存在となることがある。

このようなリーダーは、若手や周囲のセラピストに対して、リーダーシップを発揮し組織や業務の在り方に対して異議を唱えることもあり、まさに現場の代表者として活動する。

本人は「自分が素晴らしいことをしている」という自覚症状があり、「組織や個人に対して異議を唱えること」への活動を増長させることが多い。

しかし、ここには重要な視点が抜けている。

リーダーとして優れていても部下として優れていなければ、組織からの評価は得られないという事である。

部下として優れているという事はどういうことか?

それは、組織の一員としてチームプレイに徹し、組織の方向性を建設的な意見を述べることで調整していくことである。

リーダーシップが優れている人の組織に対する異議申し立ては、組織の弱点や上司の欠点を指摘することが多い。

しかし、組織の弱点や上司の欠点を指摘するだけでは、それはただの「クレーム」「文句」である。

優れた部下は組織の弱点や上司の欠点を補うために自分にはどのようなことができるか?を考え、建設的な意見を述べることができる。

リーダーとして優れていても部下として優れていなければ、組織からの高い評価は得られない。

あなたの職場にはいないだろうか?

クレームや文句は得意だが、チームのために行動できないリーダーの皮をかぶっているセラピストが。

執筆者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)(脳卒中)
呼吸療法認定士
修士(学術)
関西医療大学保健医療学部 助教
関西学院大学大学院 経営戦略研究科

リハビリテーション部門運営の最大の鍵は採用活動の質である

リハビリテーション部門の最大の経営資源はセラピストであることは間違いない。

そのため、多くのリハビリテーション部門は人材育成に取り組んでいる。

しかし、人材育成が成功している事例を聞くことは少ない。

多くのリハビリテーション部門では、人材育成に関して次のような課題を有している。

3年目から5年目ぐらいで退職する
職場内の風紀を乱すセラピストがいる
セラピストの多くが管理職を希望しない
臨床能力が低いだけでなく、事故を良く起こす
人事異動に納得しないセラピストがいる
部下を扇動し、組織を乱すセラピストがいる
など・・・多くの人材に関する問題が散見する。

このような問題の収束や解決のために疲弊している管理職は多い。

しかしながら、このような問題の収束や解決は組織力のマイナスをゼロに戻すだけの作業であり、本来の管理職の仕事である組織力のプラスをよりプラスに変えるものではない。

したがって、人材に関する問題が極力生じないための組織マネジメントが必要となる。

そのために必要なのは、採用の入り口で徹底した人材の人選が重要である。

組織の理念、ビジョン、業務内容、役割、キャリア教育等に完全に納得、同意した人間を複数回の面接や試験などで厳選することが重要である。

人材を厳選する活動は大きなエネルギーが必要であるが、問題人材への対応に必要なエネルギーとは遥かに健全なエネルギーである。

問題社員に振り回される組織は採用活動の質が悪すぎるだけである。

あなたは、良い人材を採用するためのエネルギーと問題社員対応のエネルギーならどちらを選びますか?

執筆者
高木綾一
セミナー講師
株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)(脳卒中)
呼吸療法認定士
修士(学術)
関西医療大学保健医療学部 助教
関西学院大学大学院 経営戦略研究科

一寸先が見えないリハビリテーション業界 あなたはどう生きる?

リハビリテーション業界の環境変化のスピードは恐ろしいほど早い。

回復期リハビリテーション病棟の台頭とその後の厳しい評価

リハビリ特化型デイサービスの急増とその後の停滞

通所リハビリテーションと訪問リハビリテーションの急速な需要の拡大

自費リハビリテーションの拡大傾向

自己研鑽の残業が当たり前からワークライフバランスの推奨

非常勤アルバイトの時給3000円以上から1400円前後の低下

実習のスーパーバイザーが新人だらけ

セラピストがリハビリテーション業界以外で働く

などの激しい業界の変化が起こっている。

このような環境変化が激しい状況では、環境変化に適応する働き方や自己研鑽が重要である。

もし、何も行動をしなければ環境変化に巻き込まれ、馬車馬のようにしか働けない状況が作られていく。

資本がある人間が資本のない人間を使って富を増やす資本主義社会では、環境適応が非常に重要となる。

これまでリハビリテーション専門職は環境適応をしてこなかった。

それは、国家資格を金科玉条のように振りかざし、雇用は守られていると考えていたからだ。

しかし、これからの時代はそのような考え方は全く通用しない。

10年後あなたはどんな仕事してどんな生活をしているのだろうか?

運命は他力本願ではなく、自力本願で定めるべき。

執筆者
高木綾一
セミナー講師
株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)(脳卒中)
呼吸療法認定士
修士(学術)
関西医療大学保健医療学部 助教
関西学院大学大学院 経営戦略研究科

 

 

価値創造できるセラピストはAIに負けない

近年、AI(人工知能)の発展が目覚ましく、近い将来、人間の能力をAIが超えるのではないかと予想されている。

AIによって現在の50%以上の仕事がなくなる可能性も指摘されている。

リハビリテーション分野でこのことを考えると、リハビリテーションの評価や治療方針をAIが決定することができるようになれば、セラピストはそのプログラム通りに訓練を行うだけの訓練屋となる。

また、物理療法やロボットによる治療や運動療法が発展すればセラピストは、機器の設定と見守りだけの仕事が中心となる可能性がある。

このようなことから、例えセラピストの仕事がなくならなくても、セラピストの価値が低下することにより給与は減額される可能性が高い。

したがって、AIの発展は必然的にセラピストの価値創造が試される時代への移行を余儀なくさせる。

セラピストの価値創造には次のような視点が必要である。

AIやロボットなどのテクノロジーでは解決できない課題への介入

地域連携・組織マネジメント・小関節へのアプローチ・変化する問題に対する判断

看取りを含む慢性期患者に対する介入

看取り期のリハビリプログラム立案・ポジショニング・シーティング・嚥下リハビリ

AIやロボットを活用できる人

利用者に適したAIやロボットの選定と実施・AIやロボット自体の開発

振り返ってみればいつの時代もテクノロジーの発展と共に人類は働き方を変えてきた。

テクノロジーを憎むのではなく、新しい価値創造に積極的に挑戦する方が遥かに生産的である。

執筆者
高木綾一
セミナー講師
株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)(脳卒中)
呼吸療法認定士
修士(学術)
関西医療大学保健医療学部 助教
関西学院大学大学院 経営戦略研究科

 

 

退職者分をただ補うだけの人事採用をしていませんか?

医療機関や介護事業所の人事部門は本来の機能を果たしていない。

医療や介護のサービスの質は、人材の質で決まると言っても過言ではない。

医療や介護ほど、人材に依存した事業はない。

それほど、人材が大切にあるにも関わらず、多くの人事部門は「ただ、退職者分を補うだけの採用」を行っている。

人事部門は経営に大きな影響を与える最重要部門である。

経営戦略を実現するのは人材
組織イノベーションを起こすのは人材
地域ブランドを創るのも人材
である。

つまり、人事部門は企業の未来をハンドリングしている部門である。

退職者分だけを補う人事採用しかしていない人事部門は、名ばかり人事部門と言える。

近年の診療報酬・介護報酬はアウトカム志向が強くなっており、医療や介護を取り巻く環境は厳しさを増している。

そのような環境変化に対応するためには、人事部門がより戦略的な人材採用を行わなければならない。

そのためには、人事部門が診療報酬や介護報酬の状況、自社の経営課題、組織イノベーションの方向性などを知る必要がある。

そして、リハビリテーション部門や看護部門は人事部門としっかりと戦略のすり合わせをしなければならない。

間違っても、人事部門が自部門の方向性と違う人材を採用することはあってはならない。

皆さんの人事部門は戦略的な採用活動が出来ていますか?

今一度、見直してほしい。

執筆者
高木綾一
セミナー講師
株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)(脳卒中)
呼吸療法認定士
修士(学術)
関西医療大学保健医療学部 助教
関西学院大学大学院 経営戦略研究科