今からの時代は副業はない。すべてが本業である

多くのセラピストがダブルワーク、トリプルワークをしている。

本業だけは、生活が苦しかったり、自己研鑽の費用の捻出が苦しかったりする。

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の平均年収は400万円以下であり、今後もそれを超えることはないだろう。

平均年収400万円では、将来の生活に不安がつきまとう。

よって、多くのセラピストは、休日に時給の高い非常勤を行うことが多い。

しかし、もう一段階上の次元での働き方をお勧めする。

その非常勤はあなたにとってどのような投資であるのか?という視点を持つことである。

非常勤で働いている時間は、人生にとって非常に重要な時間を切り売りしている時間でもある。

時間は有限であり、時間をいかに有効活用できるかで将来の収入や充実感が変化すると言っても過言ではない。

そんな貴重な時間を、単なる時給稼ぎのために使用することは避けるべきである。

これからの時代は、本業と副業の区別がない時代であり、すべての経験を本業と捉え、そのキャリアを人生や仕事で活かしていく姿勢が求められる。

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例えば、回復期リハビリテーション病棟に勤務をしているセラピストが、訪問リハビリテーションにて非常勤勤務したとする。

訪問リハビリテーションでは、医療と介護の連携が難しかったり、高いコミュニケーション能力が求められたり、看護師との連携が必要になったりする。

これらの経験は、確実に回復期リハビリテーション病棟での業務に活きるとともに、将来への投資になる。

個別場面で経験したことを、統合し、仕事をする上での価値観として統合していくことがこれからの時代のキャリアデザインでは必要である。

本業と副業はあくまでの収入の大きさだけで判断をした分け方である。

キャリアや経験という意味では、本業と副業という分け方は不適切である。

経験していることがすべて本業である。

大阪府保健医療計画が示す都心の療法士事情

現在、大阪府にて制定されている大阪府保健医療計画には各保健医療従事者の状況について分析された内容が記載されている。

大阪府保健医療計画(平成25年から平成28年)
http://www.pref.osaka.lg.jp/iryo/keikaku/keikaku2013to2017.html

この計画において理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の需要と供給に関する記述があり、「需給と供給のバランスが満たされている状況にある」と明記されている。

理学療法士の過剰供給については、筆者のブログでも述べたことがあるが、行政が作成している文章にも、需給バランスが満たされているとの記述があることは業界としては知るべき事柄である。
過去記事はこちら→2015年9月17日 日本経済新聞報道の「理学療法士の供給過剰問題」の本質を考える

資質の向上大阪府保健医療計画(平成25年から平成28年)より抜粋

大阪府保健医療計画にも記載されているように、需給バランスが満たされた以上、資質の向上が重要となってくる。

医療保険・介護保険サービスの質を上げる意味でも、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の競争社会においても、質の向上がより着目されてくる。

また、都心と地方では、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の需給バランスは異なる。

しかし、都心の需給バランスの変化は地方の需給状態にも影響を与える。

都心においてセラピストが過剰供給となれば、地方への移動するセラピストも多くなり、やがて全国的に需給バランスが満たされることになる。

需給バランスが満たされることは、日本国の保健衛生にとって良いことであるが、一方でセラピストの労働市場の激化にも繋がる。

いずれにしても、セラピストの資質の向上が今後の鍵となる。

 

空気を読めない人は三流・空気を読む人は二流・空気を創る人が一流

職場の意向や指針とは全く異なることを、根回しもなく、突然、言ってしまい全員から総スカンを喰らう人がいる。

職場の意向や指針とは違うことを言うことは、悪いことではない。

適切なタイミングで、適切な場所で、建設的な意見を言うことができれば、総スカンを食らうことはない。

しかし、空気を読めない人は、不適切なタイミングで、不適切な場所で、不適切な意見を言ってしまう。

日本の職場では、空気を読むことが美徳されている。

筆者は、空気を読むを、「その場の雰囲気から状況を予測し、自分がするべきことやしないこと、あるいは相手に求めることや求めないことを決定していく思考過程」と定義している。

この能力は重要である。

職場のミッション遂行を支えるために、従業員は存在する。

よって、従業員の空気を読む力というのは、重要な経営資源である。

しかし、空気を読む力に長けた職員がばかりが増えるのは、実はよくない。

空気を読む力は、組織の具体的な報告性が示されている時には大きな力を発揮するが、経営状態が悪化した時や、組織の方針が揺らいでいるときには、状況を打開する力を持たない。

このような時には、空気を創る人材が必要である。

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自分の意見や考えを周囲に伝えたり、明るい挨拶や素晴らしい接遇をしたり、前向きな発言をすることで、新たな空気を創ることができる。

特に、経営状態が低迷している、組織改革が必要な状況、大きな課題が山積している状況の職場では、空気を読む人より空気を創る人材が求められる。

空気を読めない人は三流
空気を読む人は二流
空気を創る人が一流

あなたはどの人材であるか?

 

同質な人とばかり群れると、キャリアは劣化する

いつもと同じ仲間で
いつもと同じ場所で
いつもと同じ話題で
いつもと同じ結論で
盛り上がっている人は多くないだろうか?

医療機関や介護事業所で長年勤めていると、部門外や社外の人と付き合うことが減ってくる。

特に、医療・介護従事者は閉鎖的な人も多く、自分の専門性に酔っている人が多いため、自分を認めてくれる同質な人が好きである。

よって、自分と同質な人達との付き合いが多くなり、新しい友人や知人が増えていかない傾向がある。

しかし、このような生活をしていると、自分の生きる世界は一向に広がらない。

広がるどころか、逆にどんどん狭くなってくる。

同質ではない人たちと付き合うことのメリットはどのようなものか?

年齢・性別・立場・所属・国が違う人たちと接すると、彼らは価値観もばらばらであることから、自分の価値観とのギャップを確認することができる。

そのギャップから、自分の立ち位置やアイデンティティーを確認することができる。

自分の見ている世界なんて、ほんのちっぽけなもので、自分が知らない世界が広大に広がっていることを知ることができる。

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環境変化の激しい今日においては、今の交流関係や肩書にこだわることは、負の要素が多い。

しかし、今の交流関係や肩書に守るためには、他人と迎合するを選択する人が多い。

社長に迎合
組織に迎合
上司に迎合
同僚に迎合
外部に迎合

迎合は、一時的な心理的安定は生むが、将来的には環境の奴隷を生む。

自分とは同質な人ばかりに回りを囲まれているとしたら、それは、はっきり言ってよくない。

今からでも遅くない。

新しい友人・知人を今すぐに作ることをお勧めする。

キャリア・ハイを目指すには会社や部門より求められる以上の仕事をする必要がある

今の職場で認められるためには、会社や部門より求められる以上の仕事をする必要がある。

求められている仕事は、お給料をもらうためにしなければならない最低限の義務である。

求められている以上の仕事をして初めて、「仕事ができる人」として認識される。

新しいプロジェクトや組織改革について、率先して理解し、協力する姿勢を持っていれば自ずと、仕事の内容が「最低限の仕事」から「最高点を目指す仕事」に変化していくだろう。

経営環境が厳しい今の医療・介護業界では、有能な人材はすぐに目立つ

有能な人材と認知されれば、あなたが想像している以上に付加価値の高い仕事が舞い込んでくる。

付加価値の高い仕事は、新しい経験や知識を学ぶチャンスでもあり、かつ、処遇も向上する可能性が高い。

介護報酬改定・診療報酬改定により、介護事業所や医療機関では短いスパンで様々なとプロジェクトや新規事業が行われる。

そのような新しい取り組みに対して、傍観者のような態度しかとれない人材は、職場で認められる人材には、決してならない。

傍観者への評価は厳しい。

傍観者は新しいプロジェクトや新規事業に対して行動を起こさずに、批判ばかりを繰り返す「社内評論家」と認識される。

また、傍観者は、自ら建設的な意見をもっておらず、ただ単純に、仕事環境の変化を嫌がっているだけの、「保身者」として認識される。

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環境変化の激しい時代の医療・介護経営において、「評論家」と「保身者」は最も評価されない人材である。

今の時代に働く医師・看護師・理学療法士・作業療法士などの医療従事者にとって、求められる以上の仕事をすることは、キャリア・ハイの必須項目である。