タイムマネジメントを放棄すると環境の奴隷へ一直線!

タイムマネジメント
それは自分らしく生きるための必須の技術。
日本語に訳せば、時間管理。
しかし、時間は地球上に住む誰にとっても24時間しかない。
したがって、物理的に24時間を減らすことや増やすことは不可能である。

では、タイムマネジメントとは、何をマネジメントすることなのか?
筆者は「自分の行動を管理し、人生や仕事の目標を到達する一連のマネジメント」がタイムマネジメントと定義している。すなわち、自身の行動と人生や仕事の目標の整合性を得ることが、タイムマネジメントである。

したがって、人生や仕事に目標がない人は、タイムマネジメントを行う動機が生じない。タイムマネジメントがなければ、自分自身の人生や仕事が他人や環境に支配されることになる。

高度経済成長や人口増加社会が終焉を迎え、日本は今や世界の最先端先進国になった。
そのため、社会が成熟化し、従来の社会モデルが通用しなくなっている。特に、人生や仕事に関しては、従来のモデルが完全に崩壊し、生き方や働き方に絶対的な正解がない状況である。

このような状況では、自分の生き方や働き方に関して能動的に目標を設定し、日々の行動を管理するタイムマネジメントを実行しなければ、周囲の環境に人生が支配されてしまう。

あなたの職場や周りには、人生や仕事に関して以下のようなことを言う人はいないだろうか?

上司が悪い 部下が悪い 相手が悪い 景気が悪い
会社が悪い 時代が悪い 嫁が悪い 親が悪い

このように周りの環境に責任転嫁をしている人は「環境の奴隷」と言える。
周りが悪いと責任を添加している人は「私の人生は私の周りの人に支配されています」と明言しているようなものである。

人生や仕事を自分でコントロールすためには「環境に逆らうこと」が必要である。
環境に逆らうことが、自分の人生をコントロールすると思っている人は少ない。
今から、明日から、何のために時間を使いますか?
人は「今」しか生きることができません。
「今」を何のために使うかを選択しなければなりません

 

 

 

 

なんちゃって医療機関・介護事業所のベンチマークをクリアせよ

7:1急性期病床の削減や地域医療構想の具現化に向けた制度設計が進んでいる。入院医療から脱却し、医療の外来シフト・在宅シフトを実現することは、財務省と厚生労働省の一丁目一番地の政策である。すなわち、改革の対象は、7:1急性期病床を維持したい急性病院や今後の方向性を決めかねている中小病院・診療所・介護事業所である。

もう少し、わかりやすい表現を使うと、「なんちゃって急性期」となんちゃって「地域医療をしている医療機関や介護事業所」が改革の対象と言える。

数年に一回行われる診療報酬改定・介護報酬改定は、「なんちゃって」の定義の更新作業であると行っても過言ではない。現在、「なんちゃって」の定義に該当する可能性が高いものとして以下のものが考えられる

7:1病床なのに重症患者を診ていない
7:1病床なのに病床稼働率が高くない
7:1病床なのに在院日数が20日を超える人がぞろぞろいる
7:1病床なのに専門特化した医療分野が乏しい
回復期リハビリ病床なのに、6単位以上のリハビリをしていない
回復期リハビリ病床なのに、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士がバランスよく配置されていない
回復期リハビリ病床なのに、家屋調査をしていない
回復期リハビリ病床なのに、廃用症候群の患者ばかり
地域包括ケア病床なのに地域との医療・介護連携が不十分である
地域包括ケア病床なのに若年の元気な方が入院している
老人保健施設なのに在宅復帰の取り組みをしていない
老人保健施設なのにリハビリテーションに力を入れていない
通所リハビリテーションなのにリハマネ加算を算定していない
リハビリ特化型デイサービスなのに、筋トレ特化型デイサービスになっている
訪問看護ステーションなのに重症患者・24時間対応ができない
診療所なのに、walk in 患者対象の外来に執着し、地域密着医療を行っていない
診療所なのに、在宅医療や介護事業に興味を持たない
医療法人が在宅医療・老人保健施設・通所リハビリ・通所介護を副業感覚でやっている
・・・・・・・・・その他、沢山のなんちゃって。

これらのなんちゃってをどのようにして、解決していくのか。
それを考えることこそが、医療・介護経営の醍醐味であり最大の壁である。
すでに、国からメッセージは出ている。

危険信号が灯っている医療機関・介護事業所は今すぐに行動をするべきだ。

 

在宅医療診療報酬の新たな潮流は訪問リハビリテーション報酬へ影響する!?

2016年度診療報酬改定に向けて、様々な改定項目の検討が進んでいる。その中でも、在宅医療の報酬体系はとりわけ注目される分野である。現在のところ、在宅医療は定期的な訪問回数や患者の居住形態などが診療報酬に影響するシステムになっている。一定回数訪問の包括算定や、往診回数に応じた出来高算定、同一居住患者の有無などが診療報酬に影響する。

つまり、患者の医療必要度やADLの状況は診療報酬に影響しない。これは訪問診療、訪問看護、訪問リハビリテーションでも、同様である。(※訪問看護には特定の疾患に関する加算は存在するが、ほとんどの疾患に関して重症度は診療報酬や介護報酬には影響しない)

現在、急性期病床の削減や在院日数の減少などが進められており、医療・介護の在宅シフトが急ピッチに進められている。特に、重症患者の在宅シフトが近年進められており、在宅で生活している患者、利用者の重症度の標準偏差は大きくなってきている。血圧測定、問診、薬の調整だけで済む症例もいれば、人工呼吸器の管理、胃瘻、疼痛管理、人工肛門等の処置・対応が必要な症例もいる。

このようなことから、中央社会保険医療協議会にて次期診療位報酬改定では「患者の疾患・状態に応じた評価」の検討が開始されることになった。つまり、今後、訪問診療、看護、リハビリテーションの診療報酬において、軽症患者の評価が下がり、重症患者の評価が上がる可能性が高まったと言える。

ただし、重症の定義をどのように定めるかについては、難しい。同じ疾患名であっても、医療処置の内容やADLの状況が大きく変わる。したがって、比較的、疾患名と医療行為の内容にブレ幅が少ない疾患の評価が高くなる可能性がある。例えば、末期の悪性腫瘍・進行性核上性麻痺、頚髄損傷、人工呼吸器装着などである。

現状、訪問看護からのリハビリテーションや訪問リハビリテーション事業所からの訪問リハビリテーションでは、時間あたりの診療報酬となっている。今後、訪問診療・訪問看護に重症患者の評価がより導入され、大きな問題に発展しなければ、訪問リハビリテーションの重症対応が評価される可能性が高い。

 

 

 

 

 

 

人口減少社会はピンチか。いや、チャンスでしょ。

日本の人口減少が止まらない(図1)。国土交通省の資料によると今から85年後の2100年には最悪3770万人になる可能性がある。これは、今より70%近くの人口が減少することになる。人口減少は、日本経済のみならず、私たちの働き方や価値観に影響を与える。

人口減少図1 国土交通省資料

人口減少は日本だけではなくヨーロッパの各国も、同様の問題を抱えている。
欧米諸国は人口減少対策として、子供が産みやすく育てやすい環境整備を行うことやや積極的に移民を受入れを行っている。

しかし、日本では出産・育児の環境整備は不十分であり、移民政策は行われていない。現在、中東の政情不安や治安悪化などにより多くの移民がヨーロッパ各国、とりわけドイツに入国している。ドイツも日本同様少子高齢化問題を抱えているが、その解決策として積極的に移民を受け入れている側面がある。

また、日本では戸籍制度が少子化の原因になっていると分析する専門家も多い。
戸籍制度では入籍をしなければ、結婚をしたことにならない。日本には、子供を産み、育てる条件として、入籍・結婚が必要であるという社会通念が存在する。しかし、ヨーロッパ各国では事実婚制度があり、入籍をしなくとも結婚したとみなされ、入籍しなくても社会的な制度を差別なく利用することができる。日本は戸籍制度のため、妊娠をしても入籍が高いハードルとなり、出産を諦めるケースも多い。

このように、日本は人口減少への対策が不十分であり、文化的にも政治政策的にも少子化になりやすい国であると言える。

日本は人口減少にともなう経済規模の低下が避けられない状況になる。現役労働者が減少し経済活動を行う人材が物理的に減少する。拍車をかけるように、これから日本人の寿命がさらに延長し、高齢化率が高まっていくと予想されている。
したがって、社会保障を受ける人が増え、社会保障を支える人が激減する状況となっていく。
この状況は、すでに日本の都心以外の地方でも生じており、地方には極端に高齢者が多く、労働者が少ない地域が存在する。それは、まさに50年後に生じる都心の姿でもある。

2025年問題は団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になるため、社会保障費が増加することを懸念するものである。しかし、さらに深刻な問題は団塊ジュニアが後期高齢者になる2050年に生じる。

団塊の世代と団塊ジュニアの世代には明らかな差がある。
1.団塊ジュニアは団塊の世代より人口が多いこと
2.より長寿になる可能性があること
3.さらに社会保障を支える人口が少なくなっていること
4.資産を持つ人間が団塊の世代より少ないことである。
一言で説明をすると、「長寿でありながらも貧困層が非常に多い」という特徴を有しているということになる。

このような状況が未来において生じることがわかっている以上、我々は難局を乗り越えるために具体的な行動を起こして行く必要がある。労働力を維持すること、貧困層の増加を防止すること、社会保障費を抑制するために効率良い医療・介護体制を構築することなどの目的を達成するために、具体的な行動が必要である。

少子化対策や移民政策に関しては、高度な政治判断が必要であり、我々国民は政治参加を通じて、この問題に関して真摯に向き合う必要がある。
ヘルスケアやリハビリテーションに携わる業界が、今までの発想を変え、人口減少社会の負の側面を好転させる事業を行っていくことがこれからはより重要である。
以下にいくつか事例を記載する。

1.高齢者が働く意欲を持ち、労働市場へ参加するための環境作り
高齢者の再就職支援、高齢者が安心して安全に働ける職場環境の整備や身体機能に合わせた仕事内容や作業の調整などを行う。仕事という役割を再獲得することで心身機能の低下を防止することにも繋がり、社会保障費の低減にも寄与する。

2.親の介護が原因となる介護離職を防止する
親が要介護状態になっても、介護者が仕事ができる事業。例えば、小規模多機能のような柔軟性の高いサービスや、有老人人ホームやサービス付き高齢者向け住宅のショートステイの活用、デイサービスの延長利用や企業内デイサービスなどが考えられる。

3.徹底した自立支援リハビリテーション
現在の介護保険制度では、介護保険更新時に20%から30%の人が要介護度が悪化している。つまり、日本の介護保険制度は、介護保険を利用している人の1/3が定常的に心身機能や生活機能が低下する制度であると言っても過言ではない。政府は介護保険にて自立支援サービスが乏しいという危機感から、2017年度までに要支援の人を介護保険から外してより、自治体の財源を用いてより自立支援を促す事業を行うことを決断した。今後はより、徹底した自立支援のあり方を、介護保険業界全体として真摯に考えていく必要がある。

これら以外にも沢山の人口減少社会を乗り切るための事業は多数存在する。医師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・看護師・介護福祉士は自らの専門性の本質を保ちながらも、人口減少社会に対する問題意識を持ち、具体的な行動を起こすことが必要ではないだろうか?

ピンチはチャンス
社会課題のあるところにビジネスチャンスあり

 

 

 

「理念先行」「行動不足」セラピストはこのパラダイムシフトを乗り越えられない

地域包括ケアシステムの構築、急性期病床の削減、介護保険制度の変化、理学療法士の過剰供給に関する新聞報道・・・・。リハビリテーション職種を取り巻く環境の変化は著しい。
これらのことを受けて、本ブログだけでなく様々なセラピストが今後の療法士の働き方や生き方について言及している。数多くのセラピストが自らの働き方や生き方に大きなパラダイムシフトが生じることに気づきだしたと言える。

パラダイムシフトとは、「その時代や分野において当然のことと考えられていた認識や思想、社会全体の価値観などが革命的にもしくは劇的に変化すること 」である。まさに、リハビリテーションを取り巻く環境はパラダイムシフトの真っ只中である。

視点を変えれば、パラダイムシフトに合わせて自らの仕事や生き方を確立することができれば、相当なセラピストとしての充実感を得られる時代になったと言える。セラピストとして、仕事や生き方を確立していくための重要な要素は「理念」と「行動」のバランスである。

多くのセラピストは「理念の罠」にはまり込む。自分の働き方や行き方の「理念」ばかりを考え、素晴らしい理念や行動規範を考え、導き出す。ここまでは良いのだが、それをブログやSNSで披露したり、友人に話すことで満足してしまい、実際の行動は何一つ起こさない。

リハビリテーションやヘルスケア産業にはチャンスが渦巻いている。地域包括ケアシステムの一員として機能すること、高度急性期で活躍できるセラピストになること、高齢労働者の支援サービスを提供すること、二次予防事業に関与できる人材になること、在宅重症患者に対応できる人材になること・・・・・・・・・・など、チャンスに溢れている。

これらのチャンスは、「高承な理念」を振りかざしても、掴むことはできない。「高承な理念」を「具体的な行動」に転換することができた者だけが、チャンスをつかむ。
具体的な行動の方法は沢山ある。情報を持っている人と会う、休みの日を使ってやりたい活動を体験してみる、非常勤で働いてみる、職場で新しい企画を提案してみる、勉強会を開催してみる・・などで、チャンスの芽を掴むことはすぐにでも可能である。チャンスの芽を掴むことができなければ、芽を育てながら、働き方や生き方を確立することは不可能となる。

理念先行・行動不足型セラピストでは、このパラダイムシフトを乗り越えることはできない。