キャリアデザインには「自己決定」と「相互依存」が重要である

仕事内容に魅力がなくなった
仕事へのモチベーションが下がった
人事異動があり、職場が変わった
結婚をして子供が生まれた
新しいプロジェクトの関与を命じられた
体調を崩し病気になった
など・・・人生には様々な節目がある。

こういった節目では、「今後の生き方」や「仕事に対する気持ち」について考えるようになる。

キャリアデザインにおいて、「節目」は非常に大切なイベントであり、大きく人生や働き方を変える契機となる。

節目で自身のキャリアを決めるのは、会社、上司、友人ではなく、人生の主人公である「あなた」でなければならない。

すなわち、自己決定こそが自身の人生を切り開く第一歩目となる。

だた、その自己決定には様々なものが影響する。

会社、上司、友人、恩師、組織、所属するネットワーク、家族、両親、妻、子供・・・。

こういった人たちからの意見や思いを大切にした自己決定である必要がある。

つまり、自己決定の裏には相互依存が存在するということである。 %e9%85%8d%e6%85%ae 「自身の生き方を貫く」ことが、キャリアデザインであるという風潮や意見があるが、自己決定と相互依存を意識することが真のキャリアデザインである。

自己決定が多くの人を幸せにしない可能性や社会に悪影響を与える可能性がある。

他者に対する配慮を取りながらの自己決定をしていく姿こそ、キャリアデザインでは重要である。

起業したい 転職したい 大学院に進学したい 退職したい などの決定をする時は、その決定により影響を受ける人に事前に説明し、理解をしてもらう努力が必要である。

自己決定の裏に相互依存がある。 これがキャリアデザインの本質である。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
あずま整形外科リハビリテーションクリニック
茂澤メディカルクリニック
たでいけ至福の園
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)(脳卒中)
呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
関西医療大学 客員准教授

出来ることを増やすことでキャリアの選択肢が圧倒的に増える

自分のやりたいことが見つからない
将来の見通しがつかない
何をすればよいのかわからない

このようなことで悩んでいる理学療法士・作業療法士・言語聴覚士は多い。

特に、近年はリハビリテーション職の有効求人倍率や給与水準の低下などが進んでいることから、リハビリテーション職に対する魅力が低下している人も少なくない。

では、「自分のやりたいことが見つかる」ことや「見通しが明るい」などの状況はどのようにすれば作れるだろうか?

それには、出来る(能力)→興味がある(関心)→やりたい(価値観)というステージを循環させることが大切である。

人間は出来ることにしか興味が出ない。

興味があることがいつしか自分の人生の大切な価値観に変わる。

例えば キャッチボールが出来るようになった→野球に興味を持った→野球と言うスポーツが自分の生活の一部になった ということは多くの野球少年が経験しているだろう。

脳卒中患者への臨床を生きがいにしているセラピストであれば、次のような経験をしている。

脳卒中患者のリハビリテーションがうまくできた→脳卒中に興味が沸いた→脳卒中の臨床が自分自身のアイデンティの一部になる

つまり、出来ないことは価値観にはならないし、価値観にないものは人生や仕事の目標にはならない。

したがって、出来ることを一つでも増やすことが、キャリアの選択肢を増やすことに繋がるのだ。 change 自分のやりたいことが見つからない・将来の見通しがつかない・何をすればよいのかわからないと言っている人は、「出来ることが一つもない」と言っていると同じである。

目の前の課題、目の前の臨床に出来ることのヒントは沢山転がっている。

目の前のことを一生懸命できない人は、永遠にしたいことはみつからないと言っても過言ではない。

まずは、出来ることを増やす。

これが、キャリア開発には重要である。

投稿者
高木綾一

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修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
関西医療大学 客員准教授

2020年度診療報酬改定を受けてリハビリテーション部門はどのような運営を心掛けるべきか?その1 マーケティング

2020年度診療報酬改定の最終答申が出た。

今回も疾患別リハビリテーション料の単価は増加することなく据え置きとなった。

リハビリテーションでは、リハビリテーション実施計画書の作成タイミング、外来リハビリテーション料、専従者の複数業務可能など働き方改革に関する部分の改定が目立った。

一方で、急性期、回復期、地域包括ケア病棟は再編を促す内容が大きく盛り込まれた。

急性期は重症度・医療看護必要度の強化
地域包括ケア病棟は、400床以上の病院に対する新設不可、自前急性期転棟が6割未満
回復期リハビリ病棟はFIM利得向上
などが設定された。

このような設定は明らかに病棟機能が低い医療機関に対する警鐘であり、これらの要件を満たせない場合は、他の医療機能への転換やベッド数の返上を促すものである。

このような背景の中で、リハビリテーション部門はどのような運営を心掛けていけば良いのだろうか?

まず、リハビリテーション部門は患者を集めるためのマーケティングをしなければならない。

マーケティングについては過去にも投稿してるので下記の内容を参照にしてほしい。リハビリテーションの機能をアピールしたいなら理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が主体となったマーケティング活動をしましょう

マーケティングを一言で言うと、「自社の価値を顧客に届けてサービスを購入してもらうこと」になる。

先述したように、疾患別リハビリテーション料の単価の増加は今後も期待できない。

したがって、今後は病棟稼働率、外来利用者数を増やして、疾患別リハビリテーション料を確実に算定できる状況を作り続けることが重要となる。

病棟稼働率や外来利用者数を増やすには診療報酬改定で定めらたアウトカムは満たすことは当然である。

その上で、リハビリテーション部門のサービス提供価値を地域の医療機関や住民に理解してもらわないといけない。

リハビリテーション部門のサービス提供価値は単にリハビリテーションの医療行為だけでなく、連携に対する取り組み、退院後のフォロー、入院中の教育的指導、接遇、家族不安への取り組みなど多岐に渡る。

いくら素晴らしいリハビリテーションやサービスを提供していても、それが地域の医療機関や住民に理解されていなければ、患者紹介や利用につながる可能性は低い。

つまり、これからの時代は「情報発信」が極めて重要と言える。

リハビリテーション部門は、病院経営を経営者や幹部職員に任せるだけでなく、主体性をもってリハビリテーション部門の情報発信に努めなければ患者が減り自分たちの部門の存在意義もなくなってしまう。

診療報酬改定で単価が上がることを期待するよりも、「情報発信」を通じて患者を増やしていく方が得策である。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
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関西医療大学 客員准教授

経営者ー管理職において理念が共有できなければ、その組織は崩壊する

医療機関や介護事業所の経営や運営が行き詰まっているところは多い。

筆者が全国でコンサルティングやセミナー講演をしていると、経営や運営に関する相談を受けることが多い。

その中でも、経営者と従業員の思いが「ずれている」ことに対する相談が多い。

理念やビジョンが経営者と従業員で共有されていないことにより、様々な軋轢が生じている事例が散見する。

しかし、現実的に経営者の理念やビジョンを全従業員に共有させることは難しい。

近年は、医療・介護分野は人材不足となっており、採用ハードルが下がっている傾向がある。

そのため、理念やビジョンの共有を採用の絶対条件にすることができない状況となっている。

理念やビジョンの共有よりも採用数に重きを置くほうが、人材不足を解消することができるからだ。

したがって、今の医療・介護現場は採用不足を解消することが重視されており、理念やビジョンを共有することが軽視されている状況と言える。

それでは、このような状況においてはどのようにマネジメントをしていけばよいのだろうか?

私は、経営者や管理者についてこのようにアドバイスをしている。

「経営者と管理職において理念・ビジョンの共有を第一に目指してください。それが出来ていれば、チーム全体として大きく揺らぐことはありません。しかし、経営者と管理職が理念・ビジョンを共有できなければ、一瞬で組織は崩壊に向かいます。まずは、経営者と管理者はコミュニケーションを密にして、そして、時に理念やビジョンが共有できない場合は、管理職の配置変えも必要となります」

経営者と管理者で理念やビジョンが共有されていれば、全従業員においても大きく理念やビジョンから外れた行動は生じにくい。

しかし、経営者や経営幹部は経済的観念については強く管理職に指導することが多いが、理念やビジョンの共有については怠っている人が多い。

また、理念やビジョンを共有することで管理職が離職することを恐れるため、理念やビジョンを共有を諦めている経営者すらいる。

しかし、経済優先・理念軽視は必ず甚大な医療・介護過誤や不正を生じさせる。

今一度、経営者と管理者で理念やビジョンが共有を真剣に考えていただきたい。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
あずま整形外科リハビリテーションクリニック
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理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)(脳卒中)
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修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
関西医療大学保健医療学部 客員准教授

 

 

 

 

 

 

2020年度診療報酬改定 地域包括ケア病棟の新モデルが提示された

2020年度診療報酬改定の内容が明らかになった。

今回は、地域包括ケア病棟について解説をしたい。

2014年度診療報酬改定により新設された地域包括ケア病棟は、新設後、爆発的に増加し日本の中核をなす病床に変化しつつある。

重症患者や医師等のスタッフの数を確保できない急性期病棟や稼働率の低い回復期リハビリテーション病棟などが地域包括ケア病棟に移行したケースが多い。

また、公的病棟も地域包括ケア病棟に参入したことが病棟増加に影響している。

このように急激に増えた地域包括ケア病棟であるが課題も多かった。

最大の課題は、住み慣れた地域に住み続けるという理念を実現するための病棟であるにもかからず、地域からの入院してくる患者の数が少なく、急性期病院からの入院が多いというものだ。

以前の診療報酬改定より、この課題について議論されていたが2020年度診療報酬改定においても、地域包括ケア病棟の新しい形が提示された(図)。

 

2018年度診療報酬改定にて設定された項目の全てが厳格化されている。

一言で言えば、地域から入院の受け入れ、地域医療や介護サービスの展開をより一層求めるというものである。

地域包括ケア病棟は文字通り地域との関係性を重視した運用が重視される内容になっている。

地域包括ケア病棟は急性期に依存した病棟運営から脱却し、地域との関係性を深めていくことが重要である。

地域との関係性を深めるためには、地域のニーズと自社の経営資源のマッチングを考える必要がある。

地域包括ケア病棟は
緩和ケア
リハビリテーション
レスパイト
慢性疾患治療
整形外科手術
など幅の広い活用ができる。

自社の経営資源で、どのサービスを重点的に展開するべきかを今一度考えるべきである。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
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